むずむずする鼻、だらだらと出る鼻水や鼻づまり、痒くてしょぼしょぼする目、我慢しても出てしまうくしゃみ…そんなつらい症状を引き起こす花粉症。
新年が明け、おめでたい気分も収まる1月末。その恐るべき花粉症が足音もなく、ひたひたとやってくるのです。症状が出てからではクスリもあまり効かない気がするので、先手必勝とばかりにクスリを飲んで臨戦態勢を取り、花粉の飛散が収まる春を待つ、そんな生活を10年以上も続けてきました。
舌下免疫療法などの根本的な治療法も出てきている中、私は思わぬことで花粉症を改善できたのです。
目 次
花粉症発症
世間で「花粉症」というワードが出始めて少し経った頃でしょうか、まだ花粉症を発症していなかった私は、まったくの他人事だと思っていて、何それ?という感じでまったく興味もしましませんでした。
そんなある日、なんか鼻がむずむずするな、と感じたところから私の花粉症は発症したのです。年齢にして30歳になったばかりの頃だったでしょうか。ひとたび発症すると、もう残酷なまでの症状の嵐に本当にやられました。 冒頭に書いたように、むずむずする鼻、だらだらと 出る鼻水や鼻づまり、 痒くてしょぼしょぼする目、我慢しても出てしまうくしゃみ… しまいには頭がぼうっとしてきて、もう仕事もまともに手に付かない、というような有様に。
これが毎年やってくるようになり、私の花粉症人生が始まりました。
忍耐の花粉症シーズン
発症した当初は、クスリを飲む、という発想もなく、ただただひたすら耐えて耐えて、我慢をしてしのいでいました。そして、早く花粉の飛散が終わる日が来ることを願うばかりでした。
しかし、テレビ番組からや同じように発症していた同僚達からの情報で、医者でクスリを処方してもらうと効果がある、ということを知り、早速病院を訪れてクスリを処方してもらいました。
なるほど、クスリを飲むと確かに症状が抑えられます。これだ!これを待っていたんだ!と、飛び上がりたくなる位うれしかったことを記憶しています。しかし、効果の高いクスリを飲むと、やたらと眠くなったり、症状によってはあまり効かない時があったりと、クスリとはいえ万能ではありません。
しかも、一旦クスリを飲み始めると、もうやめることができません。やめると、あの悲惨な症状に襲われると思うと、もう怖くてやめられません。朝に晩にとせっせとクスリを飲み続けていました。
花粉症改善への道のり
10年以上も苦しんできた花粉症。シーズンが来たらクスリでお茶を濁す、という対処療法ではなく、根本的に治すことはできないかと考えるもの。クスリの服用よりも一歩踏み込んだ注射による「皮下免疫療法」というのがあるのは知っていました。ただし、毎月、アレルギー物質が配合された注射を3~5年打ち続ける、ということに抵抗があり、及び腰でした。
それでも何とか根治したいと思っている時に知ったのが「舌下免疫療法」。これはアレルギーの原因物質が配合されたクスリを下の上に置いて、体内に取り込むことで抗体を作って免疫効果を上げる、というものです。しかし、調べるといくつかの悩ましい点があります。
- 3年間から5年間、毎日クスリを服用しなければならない。
- 当時は保険適用外(2014年から保険適用)で、まだ治療を行っている医院が少なかった。したがって費用も高い。
- 約20%の割合で効果がない。
これは救世主になりうるか!?と思った「舌下免疫療法」ですが、上記のような点を踏まえて一旦断念。もはや、花粉症とは一生のお付き合いになるのか?とあきらめかけていました。
意外な改善方法
そんな花粉症に悶々としていた頃、子供たちが生まれ、そのことで何となく「食」に対して関心を持つようになりました。もちろん、それまでも「食」に関心がなかった訳ではありませんが、関心の方向性が「おいしいものを食べる」ということだったのに対して、「カラダに安全なものを食べる」という方向に関心が変わったのです。
子供に食べさせるものは、余分なものが入っていないカラダにやさしく、安全なものを食べさせたい。そう考えるようになるとまず気になっていったのが「食品添加物」。いろいろと調べると「食品添加物」の功罪をいろいろと知ることになりました。もちろん、国が定めた基準通りに使用していればとりあえずは問題なし、とされていますが、それを何年、何十年と取り続けるとどうなるか、この辺りは当サイトのこちらのページでもご紹介しいておりますので、ぜひご一読下さい。
そもそも「花粉症」という症状、耳にするようになったのは1990年代頃からでしょうか。少なくとも、私の幼少期にはそんな言葉すらありませんでしたし、花粉症を発症している人すらいませんでした。それが今や国民病のような様相を呈しているのです。なぜなのでしょうか?いろいろ調べてみると、以下のような事との因果関係がありそうなことが分かりました。
- 戦後、住宅用の木材を作るためにスギやヒノキなどを大量に植林したこと
- 高たんぱく化、食品添加物の使用の拡大などによる食生活の変化
- 住宅の気密性向上によるシックハウス
- ストレスの増加
- 都市化による露出した土の減少 …
スギ林に囲まれた里山に住んでいる人が必ず花粉症になるか、と言うと必ずしもそういう訳ではありません。「花粉」という異物が体内に入ってきても、カラダの免疫システムがきちんと機能していれば症状を発症することがないシステムになっているはずなのですが、何らかの要因でそのシステムがうまく機能せず過剰に反応することで「花粉症」を発症するのです。
こういった経緯があり、我が家の食卓には極力「食品添加物」が含まれない食材で作った料理が並ぶようになりました。そういう食事を続けること2,3年。そんなある日、そろそろ花粉症に備えてクスリを飲み始めようかというような時期でした。突如、妻から、今年の花粉シーズンは「脱クスリ」をしてみよう、との提案が。妻の言う 「脱クスリ」 をする理由とは、「この2,3年、食品添加物を極力摂らない食生活を心掛けてきた。だから、自分たちのカラダはそろそろ花粉に対する免疫機能がきちんと機能するようになってきているはず。」とのこと。
私に負けず劣らずの花粉症である妻からの大胆な提案に、驚きを隠せず身じろぎながらも「脱クスリ」の生活に挑戦してみることにしました。
もう花粉はこわくない
さあ、始まった「脱クスリ」生活1年目。鼻がムズムズするのはします。鼻水も一度出だすと中々止まりません。目も痒い…やっぱり中々つらいぞ、「脱クスリ」、という感じで始まりましたが、思いの外、症状がそれほど悪化していかないのです。飛散量が多い日などは、さすがにきつい日もあったりしますが、それでもクスリを飲んでいない、ということを考えると、信じられないほど症状が軽いのです。そうしながら終えた「脱クスリ」の1年目でした。
来る2年目はというと、1年目よりも更に症状が軽くなり、3年目は更に軽くなり、という感じで年を重ねるにつれ、どんどん症状が軽くなり、4年目以降はほぼ花粉症というものを意識すらしなくなっていったのです。
こうして私は花粉症をほぼ改善して、今ではまったく花粉症のことを考えることがない生活を送れるようになりました。もちろん、食品添加物だけが花粉症の原因ではないので、誰にでも当てはまらないことはご理解下さい。でも、大きな要因であることも実体験を通して実感しています。