トマトとパスタは切っても切れない、とても相性のよい素材です。そして、すごいのは「トマト」。この赤くて瑞々しい野菜が、パスタの一つのジャンルを作っているんですから。なすでもない、ズッキーニでもない、ブロッコリーでもない。たっぷりの旨味と魅惑的な色彩を持つトマトだからこそではないでしょうか。
「トマト系」と一口に言っても、トマトソースから作る本格的なものから、トマト缶を使うもの、フレッシュトマトを使うものまで、様々な作り方が存在します。私も一時はトマトソースをじっくりと煮込んで作り、パスタに使っていましたが、最近はもっぱらトマト缶やフレッシュトマトを使っています。お客様に出すならいざ知らず、家庭で食べる分にはそれでも十分おいしいパスタができると実感しているからです。
トマトのふところの広さも半端ありません。どんな具材と組み合わせても、まず失敗しらずでしょう。それでも、旨味を加えてくれる素材を使わないと、何となく水っぽくておいしくないパスタになってしまうので、具材選びはポイントです。私の経験でも、パスタを作り始めたころのトマト系パスタがなぜかおいしくなくて悩んだものです。