食材へのこだわり

調理の際に使う食材や調味料は、メーカーも多種多様であれば商品自体もいろいろな選択肢があって、選ぶのに困ってしまうほど。そんな中でも、価格を抑えるために、本来は使用しない余分な原材料や添加物を使わず、昔ながらの製法で真面目に作っているものを使いたくなります。そうすることで、カラダにも余分なものを取り込まなくてもよく、そういった真面目なメーカーを応援することにもつながると思います。

ここでは、わがやで使用している食材や調味料類についてご紹介します。ただし、これはほんの一例であり、もっとこだわっているものもたくさんあったりしますし、それぞれの調味料について極めようと思うと、それこそ「〇〇学」と呼べるほどの奥深い、深遠な世界がありますから、そちらの方はまた機会がありましたら記事にしてみようかと思います。

<目 次>

  1. 砂糖
  2. (米酢、バルサミコ酢、レモン汁、梅酢)
  3. 醤油
  4. オリーブオイル
  5. マーガリン
  6. マヨネーズ
  7. 塩麹
  8. 塩レモン
  9. ぬか漬け

砂糖

単に「甘さ」として加えるだけでなく、少量加えることで「コク」や「深み」を出すことができるのが「砂糖」。わがやでは、国産のさとうきびを使った、精製をおこなわない「粗糖」を使っています。さとうきびの搾り汁を煮詰め、ショ糖を結晶化させた状態のものが「粗糖」で、精製する工程をおこなっていないのが特徴です。

したがって、カルシウムやカリウムなどのミネラル分が多く含まれているので、料理に入れるとコクを加えることができます。

粗糖に似たものとして「三温糖」がありますが、茶色い色は似ていますが、粗糖とはかなり違います。「三温糖」は精製が終わった上白糖を加熱して煮詰めることで、糖の一部がカラメル化することで茶色い色が付きます。したがって、ミネラル分はほとんど含んでいません。また、中にはカラメル色素(ものによっては化学的に作られたものもあり、発がん性などの可能性が指摘されています)を加えて色を付けている商品もありますので、ご購入の際は商品裏の成分表示をご確認下さい。

料理をする上でなくてはならないほど重要なのが「塩」です。昔から、料理の味加減や塩加減のことを「いい塩梅(あんばい)」などと言うように、「塩」は料理の味を左右する大事な調味料だと思います。わがやでは、料理のベースとして使う塩と味の仕上げに使う塩とを使い分けています。

料理のベースとして使う塩は、「瀬戸のほんじお」。値段も手頃で気兼ねなく使えます。パスタを茹でる際に加えるのも「瀬戸のほんじお」。大さじの単位でがばがば使っています。この「瀬戸のほんじお」でベースとなる塩加減を作っておいて、あとは仕上げ用の塩や醤油、その他の調味料で仕上げていきます。

仕上げ用の塩は、もういろいろ使っています。旅行先で買ったものやもらったものなど、いろいろなこだわりの塩を楽しみながら使っています。これらの塩に共通するのは、とんがったしょっぱさがなくマイルドなこと。そして、ミネラル分を多く含むので、コクがあって料理に深みを加えてくれるところです。

その中でもおすすめのひとつが「マルドン シーソルト」という、イギリス産の塩です。パッケージもとってもおしゃれで気に入っています。塩は大きめのフレーク状になっていて、つまんで指でつぶしながら掛けると、程よい感じで崩れてくれます。味わいは柔らかくて、マイルドそのもの。どんな料理も引き立ててくれるお塩です。

塩田による製塩が始まる以前、縄文時代より平安時代までの間に日本各地で行われていた”藻塩焼き”による製塩法がありました。「海人の藻塩」はその古代製塩技法の考え方を基にして、現代の衛生的な設備で製造しています。原料は海水だけでなく、ホンダワラと呼ばれる海藻も用いています。その為、海水と海藻の海の恵み成分が豊富に含まれています。薄茶色の色がついているのは、そのヨード分の色。塩としての辛さや、塩カドなどはほとんど感じないほどまろやかな味の塩です。

海に面する地方へ行ったら、その土地土地の塩を手に入れて、味の違いを楽しんでみるのもいいですよね。

わがやではいわゆる「お酢」と言われる「米酢」に加え、料理に合わせて「バルサミコ酢」や「レモン汁」「梅酢」も使っています。

「米酢」は、むせ返るほどのつんとしたお酢特有の刺激臭があり、お酢の王道と言えるのではないでしょうか。酢の物やさっぱり煮など、料理の素材の個性に負けない酢の力を感じます。

「バルサミコ酢」はワインビネガー、ぶどう果汁を原材料としているだけあって、ほんのり甘くて、マイルドな酸味がいろいろな料理に使いやすいです。更に、通常のバルサミコ酢は黒褐色の色合いをしているので、どうしても料理にその色の影響が少なからず出てしまいますが、上の写真のように、「BIANCO」タイプ、すなわち白いタイプだと料理の色合いを左右することなくバルサミコ酢の香りや酸味を楽しむことができるので、最近はもっぱらこちらを使っています。

「レモン汁」は柑橘系の爽やかな酸味が欲しい時に使います。カルパッチョソースやレモンバターソースなど、レモンの風味をアクセントで活かしたい時には迷わずレモン汁の登場です。

「梅酢」は梅干しを作ると同時にできる副産物のようなものですが、こちらも梅の風味を活かしたい料理に使っています。

醤油

商品によって、はっきりと個性の違いが感じられるのが「醤油」。作り方や原材料によって、びっくりするほど味が変わってきます。もちろんおいしいのは、小麦と大豆と食塩だけで作る、本来の「醤油」。添加物の入った安価なものとは別物です。わがやでは、そんな本来の「醤油」を加熱用と生食用で使い分けています。

加熱をせずに使う醤油のメインは「井上 古式じょうゆ」。古式という名の通り、加熱処理や酵母添加による醸造促進を施さず、人が介入する工程は最小限に抑え、発酵や醸造を自然に委ねる伝統的な技術で製造されています。したがって、完成までにはかなりの時間を要するわけですが、その恩恵として、少しなめてみるだけで、はっとするくらいのまろやかな旨味があります。醤油って、塩分を加えるだけのものではない、旨味も味わうものなんだと気づかせてくれます。もちろん、原材料は国産です。

日常的に使う醤油は、「二年熟成 木桶しょうゆ」。こちらも杉の木桶に入れて二夏以上熟成される醤油です。「古式 井上じょうゆ」ほどではないですが、万能的な味わいで、価格的にも手軽に使える醤油です。

少し変わった味わいなのが「四年醤油」。これは、約4年間熟成した赤味噌から作られる醤油で、赤味噌による旨味が感じられる醤油です。一般的な大豆と小麦から作られる醤油とは少し趣の異なる醤油ですが、普通にいろいろと使えるおいしい醤油です。

オリーブオイル

パスタやイタリアンに欠かせない存在の「オリーブオイル」。この「オリーブオイル」も産地やメーカーによって味も香りも価格も異なり、すべてのものを気軽に試す訳にはいかないのが残念なところです。

そんな中でも、身の回りで入手可能なものを高いものからお手軽なものまで、いろいろと試行錯誤をした結果、味わいとコストパフォーマンスを比較した結果、わがやは上の写真右側のオリーブオイルを使っています。

これは「クレタラチマス エクストラバージン・オリーブオイル」。オリーブ発祥の地、ギリシャの中でも一番品質の良いと言われるクレタ島産の生オリーブを100%使用し、低温圧搾で一番絞りしたものです。ラベルにもしっかりと「一番搾り」と書かれています。基本的に農薬を使わない有機栽培によるオリーブを使用しています。


風味、香りともに優れたオイルです。パスタをはじめ、パンにつけたり、炒めもの、自家製ドレッシングのベースのオイル等、幅広く使っています。

そして、写真左のオイルが、愛知県一宮市に本社を置くオーガニック食品、 ナチュラルフードの専門店、「旬楽膳」でのみ販売しているオリーブオイル。クレタ島のフレッシュでフルーティなエキストラバージンオイルを旬楽膳のために、有機オリーブ限定で絞っています。

ギリシャで最高級品質のオリーブの木(コロネイキ品種)になるオリーブを100%使用。コロネイキ種の特徴は酸度が低く、ポリフェノール含有が豊富なことが特徴です。収穫後24時間以内に搾汁(コールドプレス)したまさにオリーブオイルのジュース、一番搾りのファーストコールドプレスです。

マーガリン

高価なバターに比べて、より安価なマーガリンは庶民の味方的な存在ですよね。そんなマーガリンですが、ひとつ大きな難点が。それは「トランス脂肪酸」を含んでるものが多い、ということです。「トランス脂肪酸」の功罪については、こちらの書籍でお調べいただくとして、わがやはその「トランス脂肪酸」を含んでいないマーガリンを使っています。

小岩井乳業の「小岩井マーガリン ヘルシー芳醇仕立て」は、同社の小岩井芳醇ヨーグルトと小岩井熟成チーズを原材料に使用することで、香料不使用でありながら香り豊かでコク深い味わいがあります。焼きたてのトーストにたっぷり塗っても罪悪感がありません。

また、油脂の加工過程で生成されるトランス脂肪酸の原因となる部分水素添加油脂を使用していないので、カラダにもとてもやさいいマーガリンです。

マヨネーズ

サラダにかけたり、野菜に付けたりする以外にも、料理の味付けやドレッシングの隠し味など、あると便利なのがマヨネーズ。マヨネーズの本来の材料は食用油、酢、卵だけ。なので自家製も簡単にできるのはできますが、やっぱり冷蔵庫に常備しておきたいものです。

しょっちゅう使うものなので、いろいろな添加物を使っていないものがいいですよね。創健社の「有精卵マヨネーズ」は、日本国内の、自由に動き回り、自然に交配できる鶏舎で育てられたニワトリの有精卵を使っています。アミノ酸などの食品添加物を一切使用していないので、安心して使うことができます。

塩麹・醤油麹

米麹と塩を混ぜ合わせて発酵、熟成させただけの塩麹ですが、料理にうまく使うと味がぐんとおいしくなります。作り方もいたって簡単。米麹と塩または醤油を〇対〇で混ぜ合わせ、常温に1週間程置いて発酵させたら出来上がり。

米麹が発酵して旨味がプラスされていますので、今までの塩や醤油の代わりとしてそのまま使うだけで、塩分を加えつつ旨味も同時に加えることができます。

塩レモン

レモンを皮ごと塩と混ぜて1か月ほど発酵させたのが塩レモン。発酵しているので、レモン汁のような鮮烈な酸味はなく、ぐっとまろやかになりつつも香りはしっかりと残っています。そして発酵による旨味やコクが加わって、何とも言えない複雑な味わいが特徴です。

とは言っても難しく考えず気軽に、酢と塩の代わり、あるいはレモン汁の代わりに使うと、味が少し深みを増すような気がします。

ぬか漬け

日本の食卓に欠かせないもの、それはご飯とお味噌汁、それにお漬物でしょう。特に、きゅうりやなすのぬか漬けは、さっぱりとした中にぬか漬け特有の香りや旨味が加わって、ご飯が進むし、箸休めにもなりますよね。

私自身はそれほど漬物に執着がある訳ではありませんが、ぬか漬けだけは常備したい、との思いからぬか床を作って、せっせとぬか漬け作りに励んでいます。

ただし、安易な気持ちで始めると、なかなか厄介なのがぬか床の維持です。かき混ぜるのを怠ると、ぬか床の状態が悪くなって、酸っぱくなったり、異臭がしたりと、中々難しいのも事実。でも、コツは1日2回、朝と晩に混ぜること!これが基本だということを実感します。

ただし、ぬか床の適温は20~25度、これを超えてしまう夏場は、やはり冷蔵庫に入れておくのが無難です。そうすることで、ぬか床の中の様々な菌類の活動が抑えられ、環境が保たれるようです。

ぬか床を入れている容器は、野田琺瑯(のだほうろう)のぬか床専用の容器です。ぬか床に変なにおいが移ったりすることもなく、またぬか床の塩分に対しても、ガラス質の琺瑯の被膜がしっかりと守っているので錆びたりすることもありません。お勧めです。

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