精進料理でもない限り、コース料理のメインは「肉」か「魚」のどちらかで、「野菜」という選択肢はほぼありません。どちらかと言えば、脇役、副菜、添え物と言ったサブ的な感じの野菜たちですが、そんな私も長い間、野菜の力を見過ごしてきました。
子供たちが生まれ、食材について調べるようになると共に野菜のおいしさが徐々に感じられるようになってきた気がします。例えば「ラタトゥイユ」。野菜しか使わない料理の代表格ですが、しみじみとしたやさしい旨味が感じられます。
野菜にも、肉や魚ほど強烈ではありませんがそれぞれが旨味を持っているんだな、ということを実感します。そんな野菜の旨味や香り、食感などを引き出すと料理もぐんとおいしくなる気がします。そして何と言っても野菜には「旬」があります。季節ごとに出回る旬の野菜を食べることは、その野菜の一番おいしい時を食べることになりますし、自然の理にも適っています。「野菜」、奥が深いです。