目 次
安心感のある食材を
無農薬、有機肥料だけで作った我が家のハタケの野菜。少し変形していたり、曲がっていたり、ちょっと固かったりと、スーパーなどで売られている野菜とは少し別物ですが、それでも十分においしいし、何と言っても素性が分かっているので安心感があります。
とてもきれいなスーパーの野菜たち
確かにスーパーに陳列している見事な野菜達。まっすぐで、まるまるとしていて、鮮やかな色彩を放ち、とてもきれいなのは間違いありません。しかし、「無農薬」とか「有機肥料のみ」と謳っているものはほんのわずか。多くのものは、何らかの農薬を与えられて病害虫やいろいろな病気から守られ、化学肥料によって吸収すべき栄養素をコントロールされて生育しているのも事実。それは、そうすることによって得られるいろいろなメリットがあるためですが、そのメリットはあくまでも生産者側にとってのメリットであり、それは消費者側にとってはあまりメリットではない、ことが多いと思われます。
それは、加工食材でも同じ。おいしそうな色を付けたい、旨味を加えたい、とろみを付けたい、長持ちさせたい、等々の理由から様々な食品添加物が使用されています。もちろん、それらは法的に認められた物質を認められた量で使用し、それをきちんと表示することになっているので、食品のパッケージや袋を裏返して裏を見ると、その食品の材料には何が使われているのかがわかるようになっています。
食品添加物
自分自身も長い間、スーパーなどいわゆるお店で売られているものは安心、安全な食品だ、と信じて生きてきました。だって公明正大に売られているものが、カラダに悪いものが入っている訳がない、という固定概念であり、それ以上の思考が停止していました。
ところが、とある本を手に取り、それを読み終えた時から、食品を見る目の変化を余儀なくされたのです。そういう目でスーパーなどで売られている食品を改めて見てみると、食品添加物が使われていない食品を探すのが難しいほど、様々な食品に使われていることがわかりました。
もちろん、それは国が使用を認めた添加物を国の基準に従った量を使っているのだから、違法でもなんでもありません。
食べてすぐにどうにかなる、ということではないのでしょうが、何年、何十年と食べ続けるとそれなりの量を取っていることになるのではないでしょうか。そして、それぞれの食品添加物を単体で見てみると、なんだか怪しい雰囲気が漂ってきます。
例えば、ハムやソーセージなどの加工肉食品に必ずと言っていいほど使われる発色剤の「亜硝酸ナトリウム」。以下、ウィキペディアからの引用です。
毒物及び劇物取締法で劇物に指定されており、消防法でも危険物第1類(酸化性固体)の亜硝酸塩類(酸化性固体亜硝酸塩類第1種酸化性固体(50kg))。水質汚濁防止法で施行令第2条有害物質。食品では加工肉の発色剤・防腐剤として使われ、タンパク質がニトロソ化されたニトロソアミンを生成するため、加工肉は発がん性が明確であるというグループ1に指定されている。
「亜硝酸ナトリウム」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より 最終更新 2021年8月31日 URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%9C%E7%A1%9D%E9%85%B8%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0
また、ワインによく使われている酸化防止剤の「亜硫酸塩(二酸化硫黄)」。同じく、ウィキペディアからの引用です。
二酸化硫黄は呼吸器を刺激し、せき、気管支喘息、気管支炎などの障害を引き起こす。
「二酸化硫黄」「フリー百科事典 ウィキペディア日本語版」より 最終更新 2021年6月13日 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%A1%AB%E9%BB%84
なんだか刺激的な言葉が並んで尋常じゃない感じです。ただし、これだけで一概に体に良くない、と言い切るのが難しいのも確かです。ここからは、憶測の世界になってしまいますが、食品添加物も法的に定められた摂取量以下であれば、人体への影響は限りなく少なく、基本的には、すぐにどうなるということではありません。
例えるならば、「水」。ウィキペディアからの引用では、
塩素は強い毒性を持つため、 …(中略) 毒物および劇物取締法により劇物に指定されている。
「塩素」「フリー百科事典 ウィキペディア日本語版」より 最終更新 2021年11月10日 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9%E7%B4%A0
となっていますが、その漂白、殺菌作用により水道水やプールの殺菌剤として使用されています。つまり、人体への影響の少ない範囲で使用すれば大きな問題にはならない、ということになります。
とは言え、塩素のほとんど入っていない田舎の水道水と、塩素が許容量近くまで入っている都会の水道水。飲み比べれば、その差は歴然。入っていないに越したことはありません。
ある本との出会い
そんな食品添加物に対する見方を変えたのが、阿部司(あべ つかさ) 著の「食品の裏側」((株)東洋経済新報社)という本との出会いです。この本、結構衝撃的な内容です。例えば、廃棄寸前のくず肉でミートボールを作る、コーヒーのフレッシュにはミルク(牛乳)は一切入っておらず「水」と「油」で出来ている、どれだけ時間が経っても変色しない刺身のツマの大根は漂白剤まみれ・・・というような、今までの自分の知識や認識を覆すような内容に、唖然・・・とする程でした。
実際に氏の講演会にも参加し、直にその話を聞いたり、参加者の目の前で行ういろいろな実験を見たりして食品添加物や食品そのものについて、考えさせられるものがありました。だって、コーヒーフレッシュが 「水」と「油」で出来ている、 なんて知ってました?あれをコーヒーに入れて「う~ん、クリーミーになっておいしい!」なんて言っていた訳ですよ。刺身のツマだって、捨てるのがもったいないからって、刺身を食べた後にむしゃむしゃ食べてたんですよ。その他にも、「えっ嘘!?」というようなことが続々と出てきます。
本の内容については、興味のある方は実際に手に取って読んでいただければと思いますので詳細は割愛しますが、講習会に参加して、興味深かったのが「添加物だけで作れるラーメンのスープ」です。大きな鍋も、鶏ガラも豚骨も一切不要!食品添加物だけで簡単に出来ちゃうのです。
食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 単行本 – 2005/10/1
食品の裏側2 実態編: やっぱり大好き食品添加物 単行本 – 2014/3/28
添加物だけで作れるラーメンのスープ
ラーメンのスープといえば、鶏ガラや豚骨、ネギや生姜、その他の野菜をぐつぐつ煮込んで、ダシを取って、返しと合わせて作るもの、というイメージが一般的かと思います。
しかし、食品添加物大国 日本ではいちいちそんなことをしなくても、食品添加物だけでスープなんか作れてしまうのです。旨味や風味、とろみ、色味など、それぞれの役割を持つ食品添加物があり、それらを組み合わせるだけで、あら簡単、ラーメンのスープの出来上がり、なんです。そうやって作る方が、手間も掛からずコストが安いんです。合法的でコストが安ければ、それを選択することは、ものを作る側の立場からするといたって当然です。しかし、立ち位置を変えて、食べる側から見ると本当にそれでよいのでしょうか。
例えば、「旨味」を出すのに用いられる「酵母エキス」。いわゆる「旨味調味料」ですが、ビールの製造過程で出る廃液に含まれる酵母など、元々は廃棄物だった食品のタンパク質に、人工的に酸や酵素などを加えて人為的にアミノ酸を作り出した調味料です。この製造過程に様々な問題があるようです。食品添加物に分類されていませんが、いろいろと知ると充分、食品添加物と言えそうです。
同じ「旨味調味料」でよく用いられているのが「たん白加水分解物」。これも分類としては食品添加物ではありませんが、動物性たんぱく質や植物性たんぱく質に塩酸などの酸を加えて分解してアミノ酸を作り出す、という製造過程は酵母エキスに通ずる点があり、やはり同様に問題がありようです。
更には、粘り気を作る増粘多糖類、旨味や風味を出すチキンエキスなどのエキス類、おいしそうな色を出すカラメル色素やコチニール色素、保存性をあげる前述の亜硫酸塩、発色性を上げる亜硝酸ナトリウムなどなど、あげだすときりがありません。
これらの食品添加物(一部、そう分類されていないものもありますが)、本来なくてもよいもので、それぞれの持つ素性が素人にはよくわからないのであれば、摂らないにこしたことはないのではないでしょうか。なるべく、自然のままのもの、素のままのものを摂ることが、カラダにとってやさしいことだと私は考えます。
そのために、自分たちができることとは?
手首の運動を
スーパーなどのお店に買い物に行って、食品、食材を買い求める時に、手に取って手首を180度回転させてみましょう!というのが、阿部司氏の提唱。手首を回転させて、袋やパッケージの裏側の「原材料名」の表示を見てみましょう。すると、書いてある、書いてある、びっしりといろいろな食品添加物が。とにかく、手に取ったら手首を返す。これを繰り返していくと、食品によって添加物の多い、少ないがあることが分かってきます。
そして、そうして手に取った食品に何が入っているのか、その入っているものはどんなものなのか、を知った上で買うのか否かは、自分の判断基準で決めればよいと思います。